日本人は慢性的に、睡眠不足だと言われています。実際、海外の企業が、日本を含めた14か国の睡眠データを調査した結果、日本人は2020年の平均睡眠時間が世界で最も短く、6時間22分19秒であったと公表しました。また、睡眠の満足度の調査でも最下位だったそうです。あなたは、ご自身の睡眠に満足していますか?
睡眠をバイオハック
バイオハックとは、栄養学的、医学的、そして電子工学的なソリューションを組み合わせたアプローチによって、個人の生物学的状態を管理することを意味する用語です。
思い出してみてください。
最近、目覚まし時計に頼らずに起きることができましたか?
カフェインを摂取しなくてもエネルギーを感じられた日はあったでしょうか?
この一週間、ぐっすりと眠れた日はありましたか?
どれもなかったという方は、是非本コラムをご参考にされてください。
睡眠が重要な理由
私たちは、刺激と興奮に満ちた文化の中で暮らしています。夜10時に寝ることができたり、毎日8時間の睡眠をとっている方は少ないかもしれません。ですが実際、睡眠不足に起因する疾患も存在します。
見落とされがちですが、しっかり睡眠をとることはウェイトマネジメントにおいても重要です。深刻な睡眠不足の問題を抱えている方は、専門家医に相談されることをお勧めします。
睡眠が不足している時の脳の働き
寝不足の脳は、クッキーやチョコレートといった甘いものを欲します。睡眠が不足すると、脳の主要な燃料源であるグルコースが減少するので、身体は、たとえ健康に悪くても、素早くブドウ糖に分解される糖質を求めます。
また、寝不足は、海馬にも大きな影響を与えます。海馬は新しい記憶の保存において重要な役割を果たす領域です。たとえ一晩でも睡眠が不足している人は、十分に睡眠をとった人よりも、新しい情報を記憶する海馬の能力が劣ることが研究によって報告されています。これは、新しい情報を書き込む海馬の能力が、寝不足によって低下することが原因であると考えられているからです。
海馬が新しい情報を脳の他の領域に移動させて保存するためには睡眠が必要であるため、寝不足の時には、海馬の記憶容量が満杯になると、新しい情報が保存されない可能性があります。
睡眠をバイオハック(後編)に続く